2023.11.18
理学療法士がスポーツトレーナーになるためには?資格、年収、働き方を解説します
理学療法士として働いていて、将来、スポーツトレーナーとして活動したい!と思う事がありますよね。で...
お役立ち情報
20年近くジュニアアスリートをサポートして気づいたのが、子ども、特に成長期の子どもの成長とパフォーマンス向上には適切なケアが不可欠だと言う事です。
成長期の身体には特有のリスクが伴い、過度な練習、無理なトレーニングは、ケガや痛みのリスクも高く、将来に影響を及ぼす恐れがあります。
長年、ジュニアアスリートをサポートしてきた経験から、ジュニアアスリートの体調管理とケアの方法に焦点を当て、子どもたちの身体をケガや痛みから守りながら、よりパフォーマンスをを高めるための実践的なアドバイスを提供します。
また最近の子どもたちは、心ももろく、メンタルサポートの重要性もお伝えしていきたいと思います。
20年近くジュニアアスリートをサポートして感じる問題は3つ。
もう昔のように、ハードな練習、厳しい指導などは、今の子どもたちには向かないかも知れません。
重要なことなので、一つずつ解説して行きます。
今のジュニアアスリートは、競技によると思いますが、まずはこの3つが挙げられます。
この3つの問題があるためか、ケガや痛みが低年齢化しています。高校生でするような「肉離れ」を、小学2年生の子が起こしています。
これは大きな驚きです。
当スクールの「レエール スポーツコンディショニング ラボ」では、小学4年生ぐらいから、中学生のアスリートが、足、膝、腰、肩、肘などが痛くて、通ってくれています。
しかも近く(横浜市青葉区)の子どもたちではなく、他の横浜市、横浜市以外の神奈川県、東京などから電車を乗り継いで来てくれています。
また、長期の休み(夏休みや、冬休み)を利用して、首都圏以外のところから来てくれる子もいます。
今では、オンラインでホームケア、セルフケアなどのやり方などを指導していますが、通えない地域の子どもたちばかりです。
トレーナーとして30年近く活動をしていますが、ケガや痛みの低年齢化は進んでいます。
またここ数年、もしかするとコロナの影響もあるかも知れませんが、フィジカル的な問題だけではなく、メンタル的な問題でご相談されます。
主なメンタル的なご相談は
など、挙げれば色々な問題があります。
ジュニアアスリートの保護者向けのセミナーも、20年近く開催していますが、年々、メンタル的なご質問や、ご相談を受けることが多くなり、今ではフィジカル的なご相談を上回っています。
また、ケガや痛みで、競技スポーツを断念したり、メンタル的な問題からリタイヤする子も増えていると感じています。
まさに我々のジュニア時代とは、今の子どもたちは明らかに違いがありますので、子どもたちの身体や心を、保護者や指導者と一緒に見守っていく必要があると感じています。
小中学生の間で、ケガや痛み、またメンタル的な問題で大好きなスポーツから退くのは、子どもの人生に大きく影響が出ると思いますので、何とか食い止めて行きたいです。
20年近く、ジュニアアスリートの保護者向けのセミナーや講座を行ってきましたが、今の保護者の方が、子どものことで悩まれていることが多いです。
保護者の方の問題は、指導者にも言えない、他のメンバーの保護者の方も言えないような問題が多いです。
主な問題は
こういう問題もご相談が増えています。チームや団体によって、指導者の考え方や方向性が違いますので、色々なチームの実情を聞かせいていただくと、驚くようなことが色々とあります。
またお母さんのサポート時間などが増えているので、お仕事をされている方、小さい子がいる、ご両親の面倒を見ているなど、時間があまりないお母さんも沢山いるように思えます。
ただ、現状では、練習では保護者の方のサポートは当番制、試合などの遠征も送り迎えが当たり前なので、子どもだけではなく保護者の方々もハードワークな部分が多くなります。
あとは、勉強との両立。塾などのスケジュール問題や、模試、補習、夏季・冬期講座など、練習や試合とバッティングするケースもしばしばあるようです。
それに、練習がハード過ぎて、家に帰ってきても疲れて勉強する時間が少ないなども問題をよく聞きます。
一昔前のジュニアアスリートと、今のジュニアアスリートでは、フィジカル、メンタルの問題に加えて、勉強、受験、友達関係など問題は多くなっているように思えます。
私がジュニアアスリートを中心にサポートしようと思ったきっかけが、ジュニア期に起こりやすい痛みは、予防が大事になりますが、その予防法をご存じない方が多いと言う事でした。
成長期の子どもは、身長が自然と伸び始めるのですが、筋力がそれに伴っていないことが多く、せっかく身長が高かったりしても、姿勢が悪くなったり、身体を上手く使えなかったりすること増えています。
成長期の子どもの身体は、まだ大人まで出来上がっている訳ではありません。
特に骨の成長です。まだ骨が柔らかい状態で、徐々に固くなっていくのですが、その間に、過度に骨や関節などに負荷がかかり、骨が剥がれるなどの痛みがあります。
「オスグッド病」「シーバー病」など、すでにご存じな方も多いと思います。
膝のお皿の下が痛くなる「オスグッド病」、踵の後ろが痛くなる「シーバー病」がジュニアアスリート特有の痛みになります。
それともう一つ問題が。
オスグッド病にしても、シーバー病にしても、100%に近いぐらい予防ができるのですが、予防方法が練習量を減らす、もしくはストレッチしか方法がないと思われています。
競技レベル、意識レベルが高いチームや子どもたちは、練習がハードであったり、時間が長かったりします。
だから練習量を減らして予防すると言う事は、中々できないように感じています。
練習後のストレッチなどで、予防ができるようになりますが、まだまだ正しいストレッチや、適切なストレッチができていない場合が多いので、予防するということが厳しい状況です。
小中学生に時代に、膝や腰や肩を痛めてしまうと、一生痛みと付き合っていく必要があると思って欲しいです。
また、ケガや痛みでスポーツを断念したり、パフォーマンスが上がらなかったりすると、子どもの人生が大きく変わってしまう場合もあります。
大人と子どもでは身体も違ってきますが、一昔前の子どもより、身体がもろくなっている事だけを忘れてはいけません。
ジュニアアスリートの成長期におけるケアは、彼らの将来に大きな影響を与えます。筋力・競技力アップ、身体を支えるトレーニングだけでなく、精神的サポートも重要です。
また、適切な栄養摂取、怪我の予防、そして十分な休息や睡眠は、ジュニアアスリートが最高のパフォーマンスを発揮するために不可欠です。
彼らには特有のニーズがあり、それに対応する専門的なアプローチが求められます。例えば、成長期にはカルシウムや鉄分などの栄養素が特に必要ですが、これらは適切な食事計画によって確実に摂取することが大切です。
また、メンタル的なケアも忘れてはならず、ストレス管理や自己肯定感の向上がパフォーマンスに良い影響を与えます。コーチや保護者は、ジュニアアスリートがこれらの側面をバランス良く維持できるように支援する責任があります。
適切なケアを受けたジュニアアスリートは、怪我のリスクを減らし、持続可能なスポーツキャリアを築くための基盤を作ることができるのです。
ジュニアアスリートをケアするポイントとしては、まず継続的なコミュニケーションを心がけることが重要です。トレーナーやコーチは、選手の感情や体調を日々チェックし、信頼関係を築きながらサポートを提供する必要があります。
特に競技レベル、意識レベルが高い子どもほど、痛みに関しては我慢する傾向にあります。声かけも大事ですが、身体の状態を把握する必要があります。
また、成長期のジュニアアスリートにとってバランスの取れた食事は、パフォーマンス向上だけでなく、身体の成長にも欠かせません。特に、タンパク質、炭水化物、脂質といったマクロ栄養素のバランスに加え、ビタミンやミネラルなどのミクロ栄養素も十分に摂取することが必要です。
時にはサプリメントや、練習後のプロテインなども取り入れる必要があれば積極的に摂ることをおすすめします。
適度な休息と睡眠も、ジュニアアスリートの体調管理には不可欠です。トレーニングや試合の負荷から体を回復させるためには、質の高い睡眠を確保し、休日はしっかりと休養を取ることが大切です。充分な休息は、怪我の予防と精神的なリフレッシュにも繋がります。
これらのポイントを踏まえ、ジュニアアスリートに対するケアを行うことで、彼らは健康的にスポーツを楽しみながら成長していくことができるでしょう。
ジュニアアスリートの場合は、より継続的なコミュニケーションが不可欠です。若き選手たちが直面する心理的、身体的変化に対応するため、定期的なフィードバックの交換は信頼関係を深め、モチベーションの向上にもつながります。
また、競技のプレッシャーや学業との両立など、彼らが感じるストレスに対して、適切なアドバイスやサポートを提供することが重要です。
最近では、友達との関係の乱れから練習に集中できなくなる子もいますので、継続的なコミュニケーションと、その方法が重要です。
ただ、子どもの場合、大人への遠慮や壁を持っている場合がありますので、子どもから言ってくることを待つのではなく、積極的に声かけなどをする必要があります。
深刻な悩みほど、親にも言えない場合があると言う事も理解して、継続的なコミュニケーションを取っていきましょう。
ジュニアアスリートの健全な成長とパフォーマンス向上には、バランスの取れた食事が不可欠です。彼らのエネルギー需要は高く、栄養素を適切な比率で摂取することが重要となります。特に、成長期に必要なタンパク質、ビタミン、ミネラルを十分に含む食事は、筋肉の発達や骨の健康をサポートします。
練習や試合の前後には炭水化物を中心とした食事を取り入れることで、エネルギーの供給源として機能させることができます。また、水分補給も重要で、脱水状態を防ぐためにこまめに水分を摂ることが推奨されています。
トレーニングの負荷に応じた食事計画を立て、食事のタイミングにも注意を払うことで、最大限のパフォーマンスを引き出すことが可能です。親やコーチがジュニアアスリートと継続的にコミュニケーションを取り、食事に関する知識を共有し、健康的な食生活を促進することがケアの一環となります。
最近では、手軽にコンビニなどで好きなものを、好きな時に購入し、食べることができる時代です。だからこそ、子どもたちに、正しい食事を提供するだけではなく、なぜ、この栄養が必要なのか?この栄養素を摂ることで、自分はどうなるのか?などの知識も教える必要があると感じています。
周りから言われたから栄養を摂るだけではなく、自分に必要なことだと認識させると、自分からも進んで身体のことを考えて食事をするようになります。
ジュニアアスリートの成長と健康を支えるためには、適切な休息と睡眠が不可欠です。
若いスポーツ選手たちが高いパフォーマンスを維持し、怪我のリスクを最小限に抑えるためには、トレーニングと同じくらい睡眠と休養に重点を置くことが求められます。
睡眠中には成長ホルモンが分泌され、筋肉の修復や記憶の定着が行われるため、質の高い睡眠を確保することが必須です。
コーチや保護者は、ジュニアアスリートが十分な睡眠を取れるように環境を整え、夜遅くまでのトレーニングやスクリーンタイムを避けるよう指導するべきです。また、適度な休息とは、単に物理的な休養だけでなく、心理的なストレスからも解放される時間を意味します。日々のトレーニングや試合のプレッシャーから離れ、リラックスする時間を作ることも重要です。
ただ、睡眠時間を取ればいいと安易に思わないで欲しいです。睡眠の質が大事だと言う事です。
今の子どもたちは、寝る前にスマホを見ている子も多いと思いますが、睡眠の質を高めるためには、寝る前に何をするのかが重要になります。
これはジュニアアスリートの保護者向けのセミナーや、子どもたちに直接伝えていますが、寝る前の5分、「脳のトレーニング」を行わせ、睡眠の質を高めるのと、メンタル力を高めさせています。
その方法とは、「Good & New法」と言って、寝る前に、今日あった「良い出来事」と「新しい気づき」を3つずつノートに書くように指示しています。
寝る直前の思考は、脳の働きを良くしますので、ネガティブな反省より、小さなことでも良かったと思えることにフォーカスさせると、脳も「良いことにフォーカスさせよう」と常日頃から、よいことを見ようとしてくれます。
寝ている時に夢を見ているのは、寝る前の情報と、過去、脳にインプットされた情報のすり合わせをしていると言われています。
寝る前の行動で、睡眠の質が変わります。
ジュニアアスリートを20年近くサポートして思うのが、小中学生の成長期に、ケガや痛みで競技を断念したり、自信がなくなったり、やる気がなくなって競技をリタイヤする子どもたちが大勢いると感じました。
優秀な子でさえ、1回、2回の挫折で自信を無くし、自分がコントロールできなくなり、競技に集中できなくなります。
この問題は、子ども本人だけの問題ではなく、もちろん保護者、指導者の問題でもあります。ただ、ケガや痛みの予防、メンタルサポート、栄養や睡眠の向上など、練習以外にも必要な事を、子どもや、その保護者にだけ任せるのではないと感じてきました。
その為には、「フィジカル」だけではなく「メンタル」の両面から、ジュニアアスリートをサポートするトレーナーと言う新しいポジションの人が必要だと感じ、2021年に「ジュニアアスリートトレーナー」の育成をスタートさせ、子どもたちへのサポートだけではなく、セミナー等を通じて、保護者の方々への情報の提供を行っております。
ジュニアアスリートの未来を応援したいと思う方、保護者や指導者も含めて、ジュニアアスリート専用の知識や技術を身につけませんか。
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