2024.5.20
ジュニアアスリートを守る!ケアの重要性と正しい方法
20年近くジュニアアスリートをサポートして気づいたのが、子ども、特に成長期の子どもの成長とパフォ...
お役立ち情報
スポーツトレーナーとして30年近く活動し、また20年弱スポーツトレーナー、スポーツ整体師の育成を行ってきてスポーツトレーナーに向いている人の特長がわかってきました。
ただ単に資格を取得したり、知識や技術を身につけたり、他の人と同じようなことをしてもスポーツトレーナー業界で一生活動し続けて行くには困難だと感じています。
だからこそ、スポーツトレーナーとしての知識や技術に加えて「ヒト」について長年の経験などから徹底的に解説をしたいと思います。
そもそもスポーツトレーナーとはどんな仕事などをする人なのかを説明したいと思います。
ざっくりとした表現になりますが、スポーツトレーナーとは、選手の健康管理、怪我の予防、パフォーマンス向上をサポートする専門職だということです。
スポーツトレーナーは、運動選手の身体ケア、怪我の予防や処置・対応、コンディション管理など様々な分野で活躍しています。日本では、アスレティックトレーナーという職業もあり、役割や資格が似ているため、混同されることがあります。
スポーツトレーナーとアスレティックトレーナーの違いはよくご質問を頂きますが、資格は違いますが活動していることは似ているのでアスレティックトレーナーも、スポーツトレーナーの中に含んでも良いと思います。
スポーツトレーナーの仕事内容は、選手の健康状態を把握し、適切なトレーニングと栄養指導を行うことです。また、ケガをした場合の応急処置やその後のケアも担当します。トレーナーは、チームや個人選手に雇われることが多く、大学や企業のスポーツチーム、ジム、競技団体などで働くことができます。
スポーツトレーナーには、専門的な知識とスキルが必要です。トレーナーの資格は、基本的に国家資格ではありませんが、民間の資格が幾つか存在し、それぞれの資格で要求される知識や技術が異なります。取得する資格によって、トレーナーとしての活動範囲や適用することができる施設が変わります。
ここで軽く国家資格と民間資格の違いに触れておきます。
スポーツトレーナーという資格は国家資格ではなく民間資格に値しますが、理学療法士、柔道整復師、鍼灸・安間・マッサージ師などの国家資格を取得して活動をされている方もいます。
どういう現場でスポーツ選手などをサポートするかによって、国家資格を取得しなければならないかも知れませんし、現場によっては民間資格を取得しておけばOKと言うところもありますので、まずはあなたが目指すスポーツトレーナーがはっきりすれば資格の種類も変わってきます。
スポーツトレーナーに向いている人の前に、仕事内容と資格をお伝えしました。
たまにご質問を頂くのが「資格がなくてもスポーツトレーナーとして活動できますか?」と聞かれたことがありますが、活動は出来ますが、基本的にはしっかりとした知識や技術が必要になりますので、余程、独学で身につけるかなどをしないと長くは活動を続けて行くには厳しいと思います。
さて、いよいよスポーツトレーナーに向いている人をお伝えしたいと思います。
スポーツトレーナーとして活躍するためには、特定の性格や適性が求められます。スポーツトレーナーに向いている人の3つの性格や適性について解説します。
まず、スポーツトレーナーには、選手の健康管理やケアが大切な役割となります。
これは私自身の考えですが、スポーツトレーナーは「お母さん」で、指導者やコーチが「お父さん」と思っていただけるとわかりやすいと思います。
指導者が目標に向かって、日々の練習メニューなどを考え、選手を指導することが役割です。スポーツトレーナーは指導者の掲げた目標を達成させるためにフィジカルとメンタルの両面のサポートをすることが役割になります。
と言う役割の違いがありますので、スポーツトレーナーに向いている人の性格はと言うと「ついてこい!」と言うようなリーダシップよりも、「後ろからサポートします!」と言うような縁の下の力持ち的な性格の人が向いているでしょう。
たまにスポーツトレーナーとして指導者のように檄を飛ばす人がいますが、指導者とトレーナーは役割が違うと思っておいてください。
余談になりますが私の専門種目はハンドボールですが、意外にハンドボールのチームをサポートしたりしたことはなく別の競技ばかりをサポートしています。
これは完全な自論になりますが、専門種目の選手やチームをサポートすると、ついつい指導者的なアドバイスをするような気がしますので、あえて経験をしてきていない種目の選手やチームをサポートし、トレーナーに徹するということをしてきました。
もちろんこれは私自身の考えでの行動ですので、専門種目のトレーナーを目指すことが問題ではありません!むしろその方がより選手と向き合えるかもしれません。
では実際、どんな性格・適性の人が向いているのでしょうか?
トレーナーの役割は先ほども述べましたが「縁の下の力持ちタイプ」要するに裏方になりますので、熱くなった選手を冷静な態度で接する必要があります。
選手によって、もしくは場面によって選手の状態が違います。そんな時に選手と一緒に落ち込んだり、元気いっぱいになり過ぎてしまうと裏方としては失格です。
選手を冷静に見る判断力が求められます。
とは言っても、選手と一緒に熱くなるぐらいの情熱的な感情をも持ち合わせている人がトレーナーに向いている人です。
スポーツトレーナーは「怪我や痛みを事前に防ぐ」という重要な役割があります。
でも実際に選手はあまりトレーナーの我々にも「辛い」とか「痛い」とか「しんどい」などの弱音を吐かないケースが多いです。特に競技レベル、意識レベルが高い選手ほど「まだ大丈夫」と言い続ける傾向にあります。
長年トレーナーとして選手をサポートしてきましたが、どうやって選手から本音の部分を聞き出せるのか考え工夫をしてきました。
特に学生アスリートは、トレーナーと指導者がつながっているので、トレーナーに「辛い」「痛い」などと言うと、レギュラーから外されるなどの不安を持つ選手がいるので、あまり弱音を見せない選手が多いです。
その為には時には選手に寄り添ってかける言葉が重要になります。選手が正直に言いやすい環境を作るのもトレーナーの役割なので聞き上手、言わせ上手な人が向いています。
逆に自分の知識や技術だけを押し付けているトレーナーは、残念ながら選手からは信用されません!
練習の時も試合や大会の時も、次に何を行えばいいのかを考え行動できる人が向いています。
指導者や選手が求められる前に準備しておく必要があります。その為の状況を判断できるか?気が利くトレーナーは選手からも信頼を得ますし、選手としてもプレーに集中が出来るようになります。
あなたの周りにこんな人いませんか?一緒に旅行したりすると一人だけやたら荷物が多い人(笑)
こういう時にはこれが必要、もしこう言うことが合ったらあれも必要だと考えて準備するから荷物が多くなる人っていますよね?荷物が多いから良いという訳ではありませんが、常にいろいろな状況が考えられるという人です。
これは荷物の量だけではなく、時間に対しての考え方からわかる場合もあります。例えば集合時間があったとして、時間ギリギリに集合場所に着く人っていますよね?何が起こるかわからないから早めに集合時間に現地についている人。
何が起こるかわからないのがスポーツの現場です。起きてからでは遅い場合も多いので、事前に未来を予測できる能力は持ち合わせている人の方が向いています。
逆に言われた通りしかやらない人、先々があまり考えられない人は向いていないかも知れません。
以上3つのタイプの人を挙げてみました。同じ資格や知識、技術を持っていても性格や適性の違いで全くトレーナーとしての評価が違うということがわかっていただけたでしょうか?
では次に、実際にどんなスキルや能力が必要なのかを解説します。
スポーツトレーナーは、選手の健康をサポートし、怪我や痛みを予防したり、パフォーマンス向上に貢献することが大きな役割になります。では実際、スポーツトレーナーに求められるスキルや能力とはどのようなものがあるのかを紹介します。
活動する現場によって多少違うかも知れませんが、まずは基本的なスキルや能力を身につけ、活動していて必要だと感じるスキルを身に付けて行くことがポイントかも知れません。
スポーツトレーナーの資格を取って安心ではなく、常に向上心をもって学び続けることも大事な要素になります。
スポーツトレーナーの資格を取得するために大学や専門学校、スクールで学ばれると思います。運動生理学、解剖学、栄養学、スポーツ傷害などの専門的な知識と技術を学ぶと思います。さらに最近求められるのがメンタルに関する知識です。
パフォーマンスを向上させるためにも、怪我や痛みを予防させるためにもメンタルが大きく左右します。まだまだスポーツの現場にメンタルトレーナーがいる環境の方が珍しいと思いますので、スポーツトレーナーとしてもメンタルトレーニングのような心理面の知識や技術が必要になってきています。
余談になりますが、私自身はジュニアアスリートのサポートを中心にしていますが、ジュニアの場合は子どもたちだけではなく、保護者との関わりも必要になる可能性があります。
例えば保護者からの質問を受けたり、相談される場合がありますが、ここ最近ではメンタル系のご質問やご相談が増え続けているということも知っておいてください。
どんな仕事も同じかもしれませんが、やはり知識や技術を身につけるだけではなく、それを現場ではどう活かすかです。
特に選手をサポートしていると選手からの質問などを受けることがあります。知識や技術を身につけていてもすぐに応えられなければ意味がありません。
また練習や試合、大会で直接選手をサポートする場合は、何が起こるのか想定できないことも多々あります。先程も述べましたがやはり先々の色々なことを考えて、知識や技術をどう使いこなすのかアウトプットが必要になります。
ただ現べで経験を積めばよいというものではありません。受講生にも「現場で経験が積みたいです」と言う方は非常に多く、現場に連れて行ったりもします。でもその前に「現場でどんな経験を積みたいですか?」と質問をした時に明確に応えられない人は、現場に行ったとしても結局学びが少なかったりします。
だからこそ現場で例え見学でもできるのであれば率先して行動し、現場で何を学ぶのかなどの目的を持つようにしてください。選手との会話を聞きたい、どのタイミングで選手に何をしているのかを知りたい、選手からの要望にどう応えているのか見たいなど具体的な目的があるとより現場での経験が活きてきます。
トレーナーとしては選手を管理する役割があります。その為には普段から自分を管理することが大切だと教えています。
例えば時間とタスク(やるべきこと)の管理。これは早い段階から身につけさせています。「時間がない」と何かあれば口にしている人がいますが、1日の時間管理、1週間、1ヶ月の時間管理をしているのかと聞くと流行り大半の人が出来ていません。
また今日やるべきこと、今週、今月やるべきことをしっかりと管理できていないと、選手を管理することは難しいと思っています。
スポーツトレーナーは選手をサポートしますが、やることが色々あり過ぎて、何からすればいいのか?今、このタイミングでは何を優先すればいいのかと言う時間とタスクの管理が求められます。
だからこそ人をマネジメントする前に自分をマネジメントすることから始めることが大切です。
スポーツトレーナーはコミュニケーション力が求められます。でも一概にコミュニケーション力ってどうすれば身につき、高められるのでしょうか?
コミュニケーションとは社会生活を営む人間の間で行われる知覚や感情、思考の伝達
Wikipediaからの引用
要するにトレーナーと選手の意思などの伝達することになります。ただ単純に思ったこと、知っていることを伝えるのではなく、また選手もすべて本音で伝えていないことがありますので、コミュニケーションと言うより、コミュニケーション力が大切だということです。
友達が多いからコミュニメーション力が高いという訳ではありませんので勘違いしないように!
特にスポーツトレーナーとして選手をサポートする場合、選手の指導者の間に立つ役割でもあります。またジュニアアスリートの場合は、その間だけではなく指導者と保護者の間に立つ役割でもあります。
何もかも選手が言っていること、思っていることを指導者に伝えるべきか?嚙み砕いて伝える必要がある場合もあれば、指導者には言わない方が良いと感じる場合は言わない場合もあります。
選手との信頼関係を築くためには言わないこと、言えないこともあるということです。またそれは逆もあり、指導者から聞いたことを選手に伝える必要がない場合もあります。
だからこそそれらを判断する必要があり、それがコミュニケーション力だと感じています。
受講生にも授業で練習をさせていますが、コミュのケーション力を高めるためには「聞く」と言う技術と、「話す」と言う技術の両面の能力が必要になります。
受講生も始めは、「何て聞けばよいですか?」「何て聞けばいいですか?」と学生時代から意外に学んできていないと思います。
例えば
選手に「体のコンディションはどうですか?」と聞いたとしましょう。
すると選手は「大丈夫です!」と返事をしたら、この選手のコンディションは本当に大丈夫なのでしょうか?選手が言うことが信用するなということではなく、選手の性格や状況において言葉が変わるということを知っておくことが必要になります。
ではどのように聞くと良いのか?
これも正解かどうかは選手や状況によって違いますので参考程度で感じてください。
「体のコンディションを1~10までの数値で言うと、今日はどれに当てはまる?」(これは実際にラグビー日本代表の選手をサポートしていた時の聞き方です。
「今日の体は昨日と比べてどうですか?」
「体の調整をするけどどこをどうして欲しい?」
体をケアしている時に
「ここ、結構張っているけど疲れている?」
などと聞き方も何パターンもあります。
またこのような選手からの質問を受けたとした時にどう応えるのか?
例えば少し痛みがある選手から「明日の練習は出ても大丈夫ですか?」と聞かれた場合
選手の性格も合わせて考えて応える必要があります。
少し消極的な選手には「大丈夫!明日から練習を再開しよう!」と言う場合もあれば
積極的な選手には「まだ痛みが出る可能性があるからもう少し様子を見よう!」
など同じような状況であっても選手の性格などによって使い分ける必要があると感じています。
これは私自身が長く選手をサポートしてきてポイントにしている事です。
「選手は何を言って欲しいのか?何を言って欲しくないのか?」
もちろん真逆のことを言う場合もありますが、選手に迷いがあるから聞いてくることがほとんどです。例えば先程の痛みを持つ選手の場合で説明をします。
「明日の練習に参加してよいですか?」
「明日の練習はまだやらない方が良いですよね?」
全く同じような状況でも全く逆の言い方をしてきます。上記の「参加してよいか?」と質問をしてくる選手は「明日練習に参加したいから大丈夫と言って欲しい」と言う気持ちで質問をしてくることが多いです。
でも「まだやらない方が良いですね?」と聞く選手は「明日の練習には参加したくないからダメと言って欲しい」と言う気持ちの選手が多いです。
ただここが大きなポイントです!
練習に参加したいけど、やっぱり不安なので安心したいから質問をする場合が多く、まだ練習をしたくないけど、さぼっていると思われたくないから質問する場合があるということです。
これを「フトレバカチの法則」と呼んでいますが、正しい情報を伝えるだけがトレーナーの役割ではないということです。
フ(不安)をトレバ(取れば)カチ(価値)=不安を取り除くから価値、信頼されるということです!
選手にとっての不安を見つけ出して、安心するような説明や会話をすることが、トレーナーとしてのコミュニケーション力を高めることだと感じています。
資格や知識、技術は同じように学べば、同じように身につくかもしれません。でもトレーナーは選手と言う人をサポートしています。トレーナーも選手も人なので感情が必ず付きまとってくるものだということを忘れないで欲しいです。
だからこそ資格や知識、技術だけに走らないこと!
選手はロボットではないでの感情があります。だからこそスポーツトレーナーとして向いている人は、自分の感情のコントロールが出来たり、選手の感情を感じられるような人が向いていると長年選手をサポートしてきて、また長年トレーナーを育成して感じています。
だから私が教えている講座では感情のコントロール法として「脳の仕組み」と「脳トレ法」を指導しています。
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