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NSCA-CPTとNSCA-CSCSの2つの資格の違いを解説する
パーソナルトレーナー 2023.3.8

NSCA-CPTとNSCA-CSCSの2つの資格の違いを解説する

パーソナルトレーナー、スポーツトレーナーの資格にNSCAの団体が発行する資格があることはご存知だと思います。でもその中に「NSCA-CPT」と「NSCA-CSCS」の二つがあるのでどう違うのかわからない人もいると思いますので、今回はNSCA-CPTとNSCA-CSCSの違いをお伝えしたいと思います。

その前にそもそもNSCAって何か?関連記事も参考にしていただけるとご理解が出来ると思います。

関連記事:『NSCA認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)とはどんな資格なのか?』

NSCAとは?

NSCA(National Strength and Conditioing Associationの略)はストレングストレーニングと、コンディショニングに関する国際的な教育団体として1978年に設立されました。

今はNSCAジャパンが設立されましたので、NSCAの資格試験も日本で日本語で受験が可能ですが、昔は英語での資格試験でした。

現在では世界88の国と地域において会員が活動しており、この膨大な会員のネットワークをもとに、ストレングストレーニングとコンディショニングの実践と研究から得られた最先端の情報を、論文集、ジャーナル、ウェブサイト等を通じて世界中に配信し続けています。

NSCAは他の多くのスポーツ関連団体と異なり、スポーツ科学、各スポーツ競技、医療分野、フィットネス分野などの様々な専門家グループと共に、スポーツパフォーマンスとフィットネスの向上を目的とした、適切なストレングストレーニングとコンディショニングの活用という共通のゴールを目指して活動しています。

NSCAの使命の中心は、科学者とスポーツ現場の指導者との橋渡しです。ストレングストレーニングとコンディショニングの分野に関する新しい研究の実用化を目指すことで、トレーニング指導の専門的職業としての発展を促進しています。

NSCAジャパンサイトより抜粋

そのNSCAが認定するトレーナーの資格に「NSCA-CPT」と「NSCA-CSCS」の2種類があるということです。NSCA-CPTとNSCA-CSCSの違いをお伝えしたいと思います。

NSCA-CPTとNSCA-CSCSの資格の違いとは

NSCA-CPT(NSCA Certified Personal Trainerの略)でNSCA認定パーソナルトレーナーで、NSCA-CSCS(NSCA Certified Strength and Conditioning Specialistの略)でNSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリストになります。

NSCA-CSCSはスペシャリストになりますので、NSCA-CPTよりレベルが高いと思ってください。ただパーソナルトレーナーとして活動するためにはNSCA-CSCSがある方が良いのかというと違いますので、しっかりと違いを理解し資格取得を目指していただきたいと思います。

NSCA-CPTの概要

NSCAジャパンのサイトに書かれている通り、NSCA-CPTの資格は健康と体力のニーズに関して、評価・動機づけ・教育・トレーニングやコンディショニング全般の指導を行う資格ということです。

指導対象者もアスリートだけではなく、年齢・性別・経験を問わず幅広い層に対してトレーニング指導を行います。

一昔前はトレーニングと言えばアスリートのイメージが強かったのですが、今では年齢や経験など関係なしでトレーニング指導を受けられている方が増えています。

NSCA-CSCSの概要

一方NSCA-CSCSは傷害予防とパフォーマンス向上を目的とした、安全で効果的なトレーニングプログラムを計画・実行する知識と技能を有する資格になります。

もちろんNSCA-CSCSの資格を取得して、NSCA-CPTのように年齢や経験を問わずトレーニング指導も行うことが出来ますが、NSCA-CPTよりアスリートのトレーニング指導が出来るということになります。

NSCA-CPTとNSCA-CSCSの受験資格の違い

NSCA-CPTとNSCA-CSCSでは受験できる条件が違いますので、もしNSCA-CSCSを受験を希望される方はご注意ください。もちろんNSCA-CPTも受験できる条件に合わないと資格試験を受験することが出来ませんのでご注意ください。

NSCAの試験を考えている方なら、まずはNSCA-CPTとNSCA-CSCSでは受験資格が違いますの、下記をご覧いただければと思います。

受験資格がなければ受験したいと思っても受験することが出来ません。

NSCA-CPTの受験資格

  1. NSCAジャパン会員である
  2. 満18歳以上
  3. 高等学校卒業者または高等学校卒業程度認定試験(旧:大学入学検定試験)合格者
  4. 有効なCPR/AEDの認定者(*)
  5. NSCA-CPT認定試験に合格
NSCAジャパンサイトより抜粋

高等学校卒業者または高等学校卒業程度認定試験合格者とありますので、高校を中退・中卒の方は受験が出来ないということです。

他はNSCAジャパンの会員になるのもウェブからできますし、CPR/AEDは外部の認定資格になりますが受講すれば試験に合格しますので大丈夫です。

ちなみにNSCAジャパンの会費は下記の通りです。

  • 正会員 13,200円(税込み)
  • 学生会員 11,000円(税込み)

NSCA-CSCSの受験資格

  • NSCAジャパン会員である
  • 学位(学士・修士・博士)取得者、または高度専門士の称号の保持者
  • 有効なCPR/AEDの認定者(*)
  • CSCS認定試験 基礎科学セクションに合格
  • CSCS認定試験 実践/応用セクションに合格
NSCAジャパンサイトより抜粋

NSCA-CPTと大きく違うところが「学位(学資・修士・博士)取得者、または高度専門紙の称号の保持者」とありますが、要するに学校教育法が定める4年制大学、もしくは6年制大学を卒業及び卒業見込み者を言います。

短期大学生はこれに当てはまりませんのでご注意ください。

またNSCA-CSCSの場合は、試験内容が「基礎科学セクション」と「実技/応用セクション」の両方の試験に合格する必要があります。

NSCA-CPTとNSCA-CSCSの試験内容と合格率の違い

NSCA-CPTの試験もNSCA-CSCSの試験もどちらも3つの選択肢から選ぶ3択式です。

ただ下記の比較表を見ていただくとお分かりだと思いますが、圧倒的にNSCA-CSCSの資格試験は制限時間に対しても出題数が多く、当たり前だと思いますが合格率は低くなっています。

まずは受験料ですが、これはさほど違いは有りません。

資格名受験料(税込み)
NSCA-CPT46,000円
NSCA-CSCS50,200円
NSCA資格試験受験料比較

次に合格率ですがこれは2020年度のNSCAジャパンが発表した数字です。年々合格率も下がってきていますので、しっかりとした受験対策が求められます。

資格名合格率
NSCA-CPT75.0%
NSCA-CSCS63.4%
2020年度NSCA合格率比較

次は試験時間と出題数を比較しました。NSCA-CPTは3時間の試験時間に対して125問ですが、NSCA-CSCSは4時間の試験時間に対して220問です。

NSCA-CPTの試験問題も3時間で125問で、1問1分少しで解く必要がありますが、NSCA-CSCSはそれ以上に厳しい条件ですので、合格率は下がる原因の一つです。

資格名試験時間出題数
NSCA-CPT3時間155問
NSCA-CSCS4時間基礎科学セクション95問
実践/応用セクション125問
試験時間と出題数比較

実際に試験内容の違いを説明します。

NSCA-CPTの試験内容

NSCA-CPTの試験内容は下記の通りです。

分野問題配分問題数
クライアントに対する面談と評価25%32
プログラムプランニング31%45
エクササイズテクニック31%43
安全性、緊急時の手順、法的諸問題13%20
ノンスコアード問題15
合計100%155
NSCA-CPTの試験内容

※ノンスコアード問題とは、将来の試験問題を評価するために試験問題中に点在する採点されない問題のこと

NSCA-CSCSの試験内容

NSCA-CSCの試験は「基礎科学セッション」と「実践/応用セクション」の二つに分かれています。
各試験内容はこちら

分野問題配分問題数
エクササイズサイエンス55%44
スポーツ心理学24%19
栄養学21%17
ノンスコアード問題15
合計100%95
基礎科学セッションの試験内容

分野問題配分問題数
エクササイズテクニック36%43
プログラムデザイン35%38
組織と運営11%12
テストと評価18%20
ノンスコアード問題15
合計100%125
実践/応用セクションの試験内容

NSCA-CPTの試験内容と違って、出題範囲が広くなります。

NSCA-CPTとNSCA-CSCSの資格取得後の働き方の違い

たしかにNSCA-CPTとNSCA-CSCSではレベルが違います。だからどちらの資格を取得すればいいのか迷われる方もいると思いますが、まずは資格取得後の働き方を考えてからどちらのしかくをしゅとくするかを決めても良いかも知れません。

NSCA-CPTの資格取得後の働き方

アスリートだけではなく性別・年齢・経験等関係なく一般人のトレーニング指導を考えているならNSCA-CPTの資格でも十分通用します。

もちろん働く先がアスリート対象のジムであったり、応募条件にNSCA-CSCSが必要とされている場合を除けば、NSCA-CPTの資格でも他のパーソナルトレーナーの資格を取得された人より働く先は多いと思います。

NSCA-CSCSの資格取得後の働き方

NSCAの資格を取得してアスリートをサポートしたいと考えているならNSCA-CSCSを目指したいと思います。特にトップを目指すアスリートや、プロアスリートなど将来的に競技力が高いアスリートをサポートしたいと思われるならNSCA-CSCSを目指しましょう!

まとめ:NSCA-CPTでもアスリートまで見れるのまずはNSCA-CPTから

NSCA-CSCSの資格がないとアスリートのトレーニング指導が出来ないわけではありません。NSCA-CPTの資格を取得して、他の知識や技術を身につけてトップアスリートのトレーニング指導をすることも可能です。

NSCA-CSCSを目指して時間をかけるより、NSCA-CPTをまずは取得すればパーソナルトレーナーとして活動が可能ですので、まずはNSCA-CPTを取得することをおすすめします。

現場で経験を積んだり、どうしてもNSCA-CSCSの資格が必要だと感じた時点でNSCA-CSCSの資格を取得するという考えが良いと感じます。

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